インテリアコーディネーター資格試験とは、公益社団法人インテリア産業協会(以下、インテリア産業協会)が試験の実施や認定を行っている資格です。
試験は一次と二次に分かれています。
一次試験ではインテリアコーディネーターとしての知識が選択式で問われます。以前は筆記で行われていましたが、2023年度よりパソコンで問題を表示して解答する方式で実施されるようになり、決められた期間内(9〜10月頃)であれば任意のタイミングで(年に1回まで)受験できるようになり、私もこの方式で受験しました。
二次試験ではコーディネート案をプレゼンするために必要な図面や文章を作成する力が問われます。こちらは筆記で行われ、全国で一斉(年に1回、12月頃)に実施されます。
私の場合、好きなインテリアについて色々と調べる中、インテリアに関する知識を体系的に学んで身に付けたいと思い、書店で参考書を読んでみて、この資格試験に合格するくらいの力を付けることで、それを達成するとともに、客観的にも有識者として判断してもらえると思い、2023年度に受験することを決めました。
これから記す内容は、普段IT業界のシステムエンジニアとして働いていて、インテリア業界は未経験の私が、スクールなどに通わずに独学でインテリアコーディネーター資格試験に合格するまでの歩みです。
先にお伝えすると一発合格とはならず、2023〜2024年の2年間挑戦することになりました。
ただこのように簡単ではなかったからこそ、伝えられることがあると思うので、このまま読み続けてもらえると嬉しいです。
1.受験申し込み
受験の申し込みの種類として、
①基本タイプ
②一次試験先取りタイプ
③一次試験免除(二次試験のみ)タイプ
の3つあります。
初めてインテリアコーディネーター資格試験を受験する場合は①または②のタイプを選ぶことになり、同一年度に①一次試験および二次試験をまとめて受けたいか(一次試験が不合格の場合は二次試験は受験不可)、②一次試験のみを受けたいかで判断して選択します。
一次試験に合格したが、二次試験が不合格または未受験の場合は、合格してから3年間は一次試験の受験が免除されるため、③のタイプを選ぶことになります。
①のタイプは14,850円、②、③のタイプは11,550円の受験料がかかります。
詳細は以下のインテリア産業協会のホームページから参照してください。
■公益社団法人インテリア産業協会
毎年7〜8月頃にインターネット上で申し込みができますが、申し込み時に必要な情報の入力や受験料の支払いに加えて、顔写真データをアップロードする必要があります。一次試験および二次試験に合格した場合、資格登録することで、インテリア産業協会から「インテリアコーディネーター証」が交付(有効期限は登録から5年)されますが、その証明写真としてアップロードした顔写真が次回の更新時まで使用されるため、しっかりと撮影したものを用いる必要があります。
2.一次試験対策
私の場合、まず参考書を購入して一通り読むことから始めました。
参考書は以下を使用しました。
インテリアコーディネーター1次試験合格教本 第12版 上巻
インテリアコーディネーター1次試験合格教本 第12版 下巻
上巻と下巻に分かれており、合わせて700ページぐらいのボリュームがあります。
上巻はインテリアの歴史や人間工学、色彩など、個人的にはこれらについて知れるからこそ受験したいと思うくらい興味深い内容であるため、読んでいて面白いと思える内容でした。特に20世紀の動きやデザイナーズチェアについても記されているため、ミッドセンチュリーの家具が好きな人なら知っている内容が多いかもしれません。
一方で下巻は建築構造や工法、各種材料など、建築業界経験者なら馴染みがあるかもしれませんが、業界未経験者の私からすると知らない内容ばかりだったため、別途インターネットなどで調べてイメージ画像などを確認するなど、理解して憶えるのに苦労しました。ただし住宅環境や二次試験でも出題される図面、法規などは、理系の私からすると学生時代に触れたことがある内容であり、比較的理解しやすかった印象です。
参考書を一通り読み終えた後は、過去問を解きました。
過去問テキストは以下を使用しました。
インテリアコーディネーター1次試験 過去問題徹底研究2023 上巻
インテリアコーディネーター1次試験 過去問題徹底研究2023 下巻
参考書と同じハウジングエージェンシー出版の過去問テキストであり、参考書の章構成に合わせて出題される問題が分かれています。そのため参考書に記載されているどこの箇所が自分は不得意なのかつかみやすく、参考書に戻って読み直すことで苦手を克服しやすかったです。
各ページで出題される問題に合わせた解説も詳しく、選択式で問われる中で、正解だけではなく、正解に似た不正解の選択肢についても学ぶことができたため、他で似たような問題が出題されても、正解を導きやすくなったと思います。
私が受験した2023年度からパソコンで問題を表示して解答する(CBT)方式に変わり、出題される問題が人によって異なるようになったと思いますが、それでも私の場合、全体の6〜7割程度は過去問テキストで解いたことがある問題かその類似問題だった印象です。
そのため従来の筆記方式の時と同様で、可能な限り過去問を解いておいて知っている内容を増やすことが、一次試験合格への近道だと思います。
上記過去問テキストでは、過去6回分の問題を解くことができます。
また試験時間は120分ですが、私の場合、実際の受験時にはあまり意識しなくても一通り解き終わって残り20分くらい余り、解答を見直す時間がありました。
過去問を一通り解き終わった後は、もう一度参考書を読み直し、知識として定着させるようにしました。
この状態で2023年度に一次試験を受験したところ、一発で合格できました。
私は参考書はいずれも電子書籍(Kindle)で購入しました。画像データのためか文章に対してマーカーなどは付けられないですが、重要なところにしおりを自由に挿し込んでその一覧を確認したり、しおりは挿した一覧や目次から内容をクリックすることでそのページに直接遷移してすぐに確認できるからです。何より、参考書はページ数が多く、紙では重量があるため持ち運びづらいですが、電子書籍ならスマホアプリでいつでも起動でき、読む習慣を付けられると思ったからですし、現にそのようにできたと思います。
一方で過去問は単行本(紙)で購入しました。
個人的には紙で実際に書くことでより知識として定着しやすい感覚があるからです。また、ただ解くだけではなく、解説を読んで補足が必要なところに自分なりの注釈を付けたりしていたのですが、そのような自由さは、紙だからこそできることだと思うからです。
3.ニ次試験対策
二次試験では筆記で図面を描くため、それに必要な道具を揃えるところから始めました。私の場合、全て製図用の道具を製造・販売しているSTAEDTLER(ステッドラー)社のもので買い揃えました。
1.シャープペンシル・鉛筆
太・中・細の3種類の線を使い分けて図面を描かなければならないため、その中で芯が折れても、プッシュするだけで新しい芯がすぐに出るシャープペンシルを予備も含めて2本買い揃えました。
芯はHBの0.5mmにしました。
一方で鉛筆は芯が折れると鉛筆削りが必要になるため、受験時に持ち込むことは可能ですが、机のスペースが限られるため、私の場合は持ち込みませんでした。
2.消しゴム
どこの製品でもいいかもしれませんが、細いところを消しやすいように角の部分を整えたり、消した時に反って汚さないように黒くなっているところを綺麗にしたりする必要があります。
3.直定規
図面で床目地を等間隔で複数本引いたりするため、等間隔にマス目が入った透明のものが使いやすいです。
またシャープペンや鉛筆と接する面に凹凸があると綺麗な直接が引けず、それによって印象が悪くなると減点対象になるため、使い古されていないものを使用した方が良いです。
4.円定規
図面で丸テーブルやドアの開閉の軌跡を描くために使います。
コンパスでも円は描けるかもしれませんが、円定規の方がずれることなく数mm単位ごとの直径の円を描きやすいです。
直定規と同じく透明なものが使いやすく、図面を見ながら描く位置を調整しやすいです。
また分度器が付いているものを選べば、一つで二役をこなしてくれるため、机のスペースの確保に繋がります。
私の場合、コンパスと分度器は円定規で代替できたため、持ち込みませんでした。
5.三角定規
図面で家具を斜めに配置して描くために使いますが、用途が限られるため使用頻度は低めです。
6.三角スケール
図面の縮尺に合わせた直線の実際のサイズを把握するために使います。
後述する基本的な家具・家電の実際のサイズと試験で定められている1/50の縮尺にしたサイズを憶えれば、使用頻度は少なく済みます。
直定規の代替になりそうですが、私の場合、直線を引くには向かないと思ったため、直定規と三角スケールは両方持ち込みました。
7.字消し板
消しゴムの角では綺麗に消しきれない場合に、使います。
図面に字消し板を当て、その上の隙間から消しゴムで消すことで、特定の箇所のみを消すことができますが、こちらも用途は限られるため、使用頻度は低めです。
8.色鉛筆
近年は図面のどこかで着彩が求められるようになったため必要になり、18色以下まで持ち込むことができます。
家具や床、壁などでよく使う茶色系は、材質に合わせて使い分けられるように用意しておいた方が良いです。
9.鉛筆削り
色鉛筆の芯が小さくなったり、折れたりした際に削るために必要になりますが、それ以外では使用しないため、使用頻度は低めです。
10.製図用ブラシ
図面上に残った消しゴムのカスをそのまま手で払うと、手にインクが付いていた場合図面が汚れてしまうため、消しカスを綺麗に取り除くために必要ですが、こちらも用途は限られるため、使用頻度は低めです。
11.腕時計
受験会場によっては時計の設置が無く(私の場合はありませんでした)、一次試験とは異なり、コンピューター上に残り時間が表示されるわけではないので、時間のみを確認できる腕時計が必要になります。
円定規や三角スケール、字消し板、製図用ブラシを普段使わない場合は、使い慣らしておく必要があります。
また受験会場の机が狭く、描くスペースが限られる(私の場合、60×40cmぐらいしか無かった)ため、持ち込む道具を厳選しつつ、使用頻度に合わせて使いやすいように机の上に道具を配置するなど、問題集を解く中で感覚を掴む必要があります。
次に参考書を購入して、一通り読みました。
参考書は以下の一次試験対策と同じハウジングエージェンシー出版のものを電子書籍(Kindle)で購入しました。
インテリアコーディネーター資格試験 はじめてのインテリア製図 合格する図面の描き方 第4版
この参考書で平面図・断面図・アイソメ・パースの書き方を学びました。二次試験では図面に加え、文章を作成することになるため、論文用の参考書もありますが、私の場合は読まなかったですし、実際に過去問を解いたり受験したりしても、必要無かったと思います。
参考書を一通り読み終えた後は、過去問を解きました。
過去問テキストは以下の参考書と同じハウジングエージェンシー出版のものを単行本(紙)で購入しました。
インテリアコーディネーター2次試験 過去問題徹底研究2023
試験時間は180分であるため、私の場合、論文(30分)→プレゼンテーション(図面)(150分)の順で、時間通りに完成できるようにしました。
また図面では平面図に加え、断面図・アイソメ・パースのいずれかがランダムに出題されるため、いずれも一度は描けるように過去問を選びました。
最初は制限時間内で完成できませんでしたが、過去問を5年分解き終わったら、何とか描き切れる状態になりました。
この状態で2023年度に二次試験を受験したところ、残念ながら不合格でした。
原因は制限時間内に図面を完成させることができず、大きく減点されたためであると思います。論文→平面図までは順調でしたが、最後に建具の詳細図として描かなければならないウォールキャビネットに馴染みが無く、何回も描き直した結果、途中で終わってしまいました。落ち着ければ対応できたかもしれませんが、どうしても残り時間のことを考えると焦ってしまいました。
インテリアコーディネーター資格試験に合格することは諦められなかったため、2024年度に再度二次試験を受験することを決めつつ、次こそは合格しようと思い、時間に余裕が無いとパニックになる可能性が高いという反省から、より早く完成させて時間的に余裕を持つことができるように、以下の2点について取り組みました。
まず1点目として、実際に出題される問題より難しいとされる予想問題集を解いて、制限時間内に完成できるようになることを目指しました。難しい問題を制限時間内に完成できれば、それより簡単であるはずの実際の問題は、より早く完成できるという考えです。
予想問題集テキストは以下の参考書や過去問と同じハウジングエージェンシー出版のものを単行本(紙)で購入しました。
インテリアコーディネーター2次試験 予想問題徹底研究2024
過去問と比較すると、図面も論文もそのような出題パターンもあるのかと思い、難しさを実感しました。
最初は1年ぶりということもあり、制限時間内で完成できませんでしたが、3回分解き終わったら、描き切れる状態になりました。
過去問の時と同じく、図面は平面図・断面図・アイソメ・パースをいずれも一度は描けるように問題を選び、論文は3回分解きました。
2点目として、計算時間を省くために基本的なサイズの変換表を頭に入れるようにしました。図面を描く際に、問題文に記載されている家具の実際のサイズを図面の縮尺である1/50サイズに都度計算して変換すると時間がかかるためです。家具によっては一般的なサイズや、動線・要望内容に応じて自身でサイズを決めなければならないため、基本的な家具の実際のサイズをmm単位(図面上に記載する日本語注釈のサイズ単位)を、図面の縮尺サイズをcm単位(直定規のサイズ単位)にする変換表を頭に入れました。
私が実際に憶えた内容は以下の通りです。
図面や論文にかける時間や解き方についてもまとめましたので、参考にしてみてください。
■プレゼンテーション(2時間30分)
・条件確認(10〜20分)
①文章を読み、製図する家具・建具に◯マーク、製図の仕方に影響する記載に下波線を記入する。
②幅(W)×奥行(D)×高さ(H)のいずれか、または全てのサイズが未記載の家具・建具については、空欄にミリメートル(mm)サイズで記入する。
③各家具・建具のサイズを尺度(1/50)に合わせて変換し、さらに定規に合わせてセンチメートル(cm)に変換する(ミリ単位を500で割る)。
【 参考サイズ 】
ソファ(3名用):2000(1名当たり600×3+両サイドアーム200)×800×350(座面の高さ、背もたれまでの高さなら700)mm=4×1.6×0.7cm
ソファ(2名用):1400(1名当たり600×2+両サイドアーム200)×800×350(座面の高さ、背もたれまでの高さなら700)mm=2.8×1.6×0.7cm
イージチェア(1名用):600×600×350(座面の高さ、背もたれまでの高さなら700)mm=1.2×1.2×0.7cm
ローテーブル:1200×600×350mm=2.4×1.2×0.7cm
テレビ(42インチ):1000×300×650mm=2.0×0.6×1.3cm
テレビ(50インチ):1200×300×750mm=2.4×0.6×1.5cm
ダイニングテーブル(6名用):1800×900×700mm(1名当たり600×400mmのスペースとすると奥行100mmの余裕あり)=3.6×1.8×1.4cm
ダイニングテーブル(4名用):1400×800×700mm(1名当たり600×400mmのスペースとすると幅200mmの余裕あり)=2.8×1.6×1.4cm
ダイニングチェア:450×450×420(座面の高さ、背もたれまでの高さなら800)mm=0.9×0.9×0.84cm
冷蔵庫:600×700×1800mm=1.2×1.4×3.6cm
書棚(奥行):400(ゆとり100)mm=0.8cm
食器棚(奥行):450(ゆとり100)mm=0.9cm
キッチン(奥行):600mm=1.2cm
クローゼット(奥行):600(ゆとり150)mm=1.2cm
書斎デスク∶1200(or 1400 or 1600)×700×700mm=2.4(or 2.8 or 3.2)×1.4×1.4cm
ワークチェア:600×600×420(座面の高さ、背もたれまでの高さなら900)mm=1.2×1.2×0.84cm
キャビネット:500×600×600mm=1.0×1.2×1.2cm
ベッド(セミシングル):800×2000×400mm=1.6×4.0×0.8cm
ベッド(シングル):1000×2000×400mm=2.0×4.0×0.8cm
ベッド(セミダブル):1200×2000×400mm=2.4×4.0×0.8cm
ベッド(ダブル):1400×2000×400mm=2.8×4.0×0.8cm
ベッド(クイーン):1600×2000×400mm=3.2×4.0×0.8cm
ベッド(キング):1800×2000×400mm=3.6×4.0×0.8cm
ナイトテーブル:450×450×500mm=0.9×0.9×1.0cm
・平面図・天井伏図(1時間10〜20分)
①動線やドア・窓の開閉、椅子の前後移動を考慮して家具・建具を配置して記入する。
②線の種類・太さを使い分けて記入する。
実線:(太)断面線(壁)、(中)外形線(家具)、(細)引き出し線
破線:(中)隠れ線、運動の道を示す線(引き戸の動き)
鎖線:(太)ウインドートリートメント、アート
③記入した家具・建具のサイズを幅×奥行×高さのミリ単位で記入する。
④建具のドアの開閉や棚板(高さ1500mm以上は破線)を記入する。
⑤ウインドートリートメント、インテリアグリーン、照明器具(天井面に設置するPLやCLは破線)を記入する。
⑥フロア名や床材を記入する。
⑦指定があれば床の目地を記入したり、色鉛筆で色を塗ったりする(※各フロア最低2色以上で濃淡も考慮する)。
・立・断面図(出題があれば1時間)
①平面図に合わせて手前にある家具・建具から配置して記入する。
②線の種類・太さを使い分けて記入する。
実線:(太)断面線(壁・天井・床)、(中)外形線(家具)、(細)寸法線
鎖線:(太)ウインドートリートメント、アート
③建具表示記号を記入する。
開き戸:三角鎖線
引き出し:斜め鎖線
引き戸・窓:Z実線
④寸法線を引き、サイズを上に記入する(高さの場合は右に90度回転させた時に上になるようにサイズを記入する)。
⑤指定があれば壁・天井・床材を記入する。
⑥指定があれば色鉛筆で色を塗る(※壁面が白も黄色などで塗る)。
・アイソメ・パース(出題があれば1時間)
①平面図に合わせて手前にある家具・建具から配置して記入する。
②線の種類・太さを使い分けて記入する。
実線:(太)断面線(壁・天井・床)、(中)外形線(家具)
③指定があれば壁・天井・床材を記入する。
④指定があれば床の目地を記入したり、色鉛筆で色を塗ったりする(※壁面が白も黄色などで塗る)。
【 床材 】
フローリング(オーク・ウォールナット)、クッションフロア(ビニル)、フロアタイル(ビニル)、カーペット(ポリエステル・ナイロン)、畳
【 壁材 】
クロス(ビニル・紙)、タイル、塗り壁、羽目板
【 天井材 】
クロス(ビニル・紙)、左官仕上げ、木質系
■論文(30分)
①指定文字数内(550〜600文字)に収めて記述する。
②テーマごとに指定された段落で分けて記述する。
③テーマごとに解答する内容を箇条書きする。
④テーマに沿った内容のみで文章を構成する。
⑤句読点が行頭になる場合は、前行末のマス内の文字と一緒に収めて記入する。
この状態で2024年度に二次試験を受験したところ、無事合格できました。
論文で記載しなければならない語句が指定されていたり、図面で断面図を3パターン描かなければならなかったりなどイレギュラーもありましたが、いずれも制限時間内に完成させることができました。
4.資格登録・更新
2月中旬の合格発表後、インターネット上で登録手続きを行うことで、インテリア産業協会によってインテリアコーディネーターとして認定されます。
この初回登録ができる期間が2月末までであり、合格発表から2週間程度であるため、合格したのに忘れて登録できなくなること無いように注意が必要です。
初回登録料として14,300円かかります。
初回登録が完了すると、1か月程度でカード型のインテリアコーディネーター証が交付されます。
資格の有効期限は初回登録から5年で、それ以降は更新手続きを行うことで継続できます。
更新手続きの案内は登録した住所に郵送されるため、登録住所に変更が発生した場合は、忘れずに変更手続きを行う必要があります。
更新手続きでは、以下の内容を行い、それぞれ更新手数料がかかります。
■資格取得後5年目および10年目
・更新登録料(更新登録費+研修費)20,900円の納付
・インテリアコーディネーター登録申請書(顔写真貼付)の提出
・更新研修(eラーニング受講または指定課題へのレポート作成)
■資格取得後15年目以降
・更新登録料(更新登録費のみ)14,300円の納付
・インテリアコーディネーター登録申請書(顔写真貼付)の提出
5.合格するまでの勉強時間・費用
■勉強時間
私の場合、
・一次試験対策
→2023年8~9月の2か月間で50時間程度。
・二次試験対策
→2023年10~11月の2か月間で20時間程度。
→2024年10~11月の2か月間で25時間程度。
で合計95時間程度で合格できました。
■費用
私の場合、
・受験料
基本タイプ:14,850円
一次試験免除(二次試験のみ)タイプ:11,550円
・参考書
インテリアコーディネーター1次試験合格教本 第12版 上巻(電子書籍):2,500円
インテリアコーディネーター1次試験合格教本 第12版 下巻(電子書籍):2,500円
インテリアコーディネーター資格試験 はじめてのインテリア製図 合格する図面の描き方 第4版(電子書籍):2,160円
・道具類
シャープペンシル(2本):1,650円、550円
シャープペンの芯:220円
消しゴム:165円
直定規:1,870円
円定規:1,430円
三角定規:660円
三角スケール:1,485円
字消し板:495円
色鉛筆:3,300円
鉛筆削り:484円
製図用ブラシ:1,100円
腕時計:0円(元々持っていたため)
・問題集
インテリアコーディネーター1次試験 過去問題徹底研究2023 上巻(単行本):3,630円
インテリアコーディネーター1次試験 過去問題徹底研究2023 下巻(単行本):3,630円
インテリアコーディネーター2次試験 過去問題徹底研究2023(単行本):3,300円
インテリアコーディネーター2次試験 予想問題徹底研究2024(単行本):3,080円
・資格登録
初回登録料:14,300円
で総額74,909円程度かかりました。
今後これに加えて資格の更新手数料がかかる予定です。
6.感想
当初の”インテリアに関する知識を体系的に学んで身に付けたい”という受験目的は、勉強する前よりも身に付いたという感覚があるため、達成できたと思います。
一方でインテリアコーディネーター資格試験に合格したからといってインテリアコーディネーター業務ができるようになったとは思わず、私のような業界経験者は実務経験が必要であると思います。
しかしインテリアに関する様々ことを知ることで、自分がインテリアのどの分野について得意なのか、好きなのか自覚することができますし、私の場合は”ミッドセンチュリーの北欧家具”であることを改めて実感し、インテリアコーディネーターの資格試験の勉強では得られなかった北欧インテリアの歴史についてより詳しくなりたいと様々な書籍を読むようになりました。
北欧インテリアのオススメの本については以下の記事にまとめているので、是非見てもらえると嬉しいです!
■北欧インテリアの本 オススメ5撰
最後までご覧いただきありがとうございました!